さよなら、ショーケンさん
ショーケン事、萩原健一さんが
3月26日に68歳で亡くなった
とニュースが流れた
彼の代表作の
"傷だらけの天使"
を幼い子供時代に見た事がある
内容は今考えてもかなりシュールで
幼児の私には、当然全く意味が
分からなかった
が、しかし何故かくっきりと
ショーケンさんが演じる
アニキの事は覚えている
セリフとかストーリーが
理解出来ないからこそ動物的に
何かを感じる感覚があり
"何、このお兄ちゃん 不思議"
と、強烈なインパクトを感じ
ショーケンさんを目で
追っていた記憶がある
後輩役の水谷豊さんが
"アニキ〜"と甘える様に話す姿に
"そうか、このアニキという
お兄ちゃんは、そう呼べば
いつも助けてくれる人なんだ"
と幼心にその存在感を
染み付けた
晩年は、役者さんとして
常軌を逸した役柄がはまり役となり
テレビで見る機会が増えた
大人になった私は幼心に感じた
"このお兄ちゃん 不思議
"という感覚が
"ショーケンさんの危うい魅力"
だったのだとようやく気がつく
3年ほど前に20代の
ショーケンさんを知る人から
"とても繊細だけど
荒々しい粗暴な部分もある人"
だと聞いた事がある
"繊細さと粗暴さ"
相反する物が共存した時
身体の中で消化し得ない
エネルギーのそのアンバランスさに
危うい魅力を放つ物なのかもしれない
"この人が本当は優しい事は
わたしだけが知っている"
というような気にさせるのだろうか
人を引き込む少し魔性的な魅力は
そういうところから
発せられた物かもしれない
役者さんやミュージシャンなど
発信するという仕事は
自らを消耗する仕事でもある
繊細すぎる役者さんやミュージシャンは
人が感じない事を感じてしまうから
非合法の何かに頼ってしまう人もいる
そして、ショーケンさんもそうだった
見ている者には分からない
厳しい世界なんだと想像する
今朝、過去のほんわか情報番組で
61歳のショーケンが幸せそうに
"歳をとってからの
恋愛もいいものです"
と惚気話をしている映像が流れた
"愛され、愛している"
それを雄弁に物語るように
その表情は穏やかで優しかった
ショーケンさんのもう一つの顔である
繊細な優しい役柄をやられたら
それはきっと誰にも作れない
世界観だったと思う
あの存在感がある演技が
もう見られないのはとても残念だけど
今は心からご冥福をお祈りします
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