大切な事は、さりげなく 気が付かないほどにソフトで優しい
今から5年ほど前、ヨガにはまりホットヨガと
常温ヨガの二つの教室に通っていたことがある
ホットヨガは、大量に汗をかくので
痩せる効果がかなりあったし、
常温ヨガの方はインストラクターの先生が
素晴らしかったからだ
私は、スタジオヨギー新宿校に通い
そこにアシュタンガヨガを教える
ユージ先生がいた
ユージ先生は、元バレエダンサーだけあり
ポーズがとても美しかった
そして、そのチャーミングなお人柄が
作り出す先生のクラスが大好きで
スタジオヨギーに2年ほど通った
先生は、ビギナークラスでも
中級クラスでも全く変わらず
そして誰かをえこひいきしたりせず
誰にも平等にそして丁寧にヨガを教えてくれた
ヨガでは、「誰とも比較しない」
という気持ちで行う事が大切なのだが
身体を動かす=スポーツは勝ち負け
という概念が付きまとい
その心境になるには、なかなか難しい
しかし、ユージ先生のクラスでは
不思議と楽に自分と向き合う状態に
入れることができた
太陽礼拝の平凡なポーズも
ユージ先生の近くで行うと
少しずつ心が緩み体が柔らかくなって
だんだんできるようになっていく
「私の硬い身体でもこのポーズができた・・・」
自らが自らの身体と対話をする
そんな瞬間をユージ先生は
たくさんもたらしてくれた
そしてユージ先生のヨガをうけると
心まで浄化されその夜は穏やかに
ぐっすり眠れたものだ
最近特に思う事だが、
素晴らしい指導者は
凄く刺激的で
個性が強いとかでなく
中庸でバランスがとれ
自らの意見を押し付けることもなく
参加者に光が当たるように
指導してくださる方だなと
ひとたびカリスマ人気講師になってしまうと
自分に酔い、自らの思いと同じものを生徒に求め
生徒の為ではなく自分の為に教えている
指導者になってしまう人もいる
しかし、ユージ先生はいつもぶれることなく
その真逆の場所にいた
その頃のメモがあったので転用する
2013年の2月19日のメモ
「ユージ先生のヨガに助けられた。
ボロキレのような自分になって、
そこで初めて自分を受け止める
それで、ようやく見えてくることがある
そう教えてくれた」
2013年2月26日のメモ
「ユージ先生のヨガを連続で受けた。
確実に心が整った」
2013年3月2日
「星よりも心の方が明るい」
2013年3月5日
「きょうのユージ先生のお言葉:
あなたのまっすぐと向き合う
あなたがあなたである事に感謝できますように」
そして6月の末を最後に
ユージ先生は体調不良という理由で
随分と教室を休まれていた
そして、2013年の11月のメモ
「大好きなユージ先生が亡くなった。
胃がんだったそう。
あまりにも悲しくてたまらない。
別れは突然やってくる。
だから毎日本当に丁寧に生きなければいけない。
そして、伝えたいことは、伝えないと。
人にやさしく、丁寧にヨガの奥深さを
教えて下さった先生
本当に、本当にありがとうございました」
先生の葬儀には、
たくさんの生徒さん達が
列をなし
皆一様にお別れを悲しんでいた
まだ40歳少しくらいで
お子さんも小さかった様に思う
あれから5年以上たった今でも
一人公園でヨガをするとき
私は、必ずユージ先生に捧げる気持ちで
取り組んでいる
するとユージ先生の号令が
聞こえてくるようで
一緒にヨガをしている錯覚にとらわれる
ユージ先生が教えて下さった
心と身体の対話
中庸である事、バランスをとる事
そして、自分のまっすぐに向き合う事
今思うと先生からヨガを
学べたあの時間は
何にも変えられない
貴重な時間であった事だろうか
大切なことは、さりげなく
気が付かないほどにソフトで優しい
そして、それが本物であればあるほど
何年たっても色褪せていかない
いつまでも心の中に生き続ける素晴らしいもの
それを手渡していく事は、
とても難しいことかもしれない
でも少しでもそうなれる様
明日も、真摯にヨガと向き合おうと思う
#スタジオヨギー #ユージ先生 #ムトウユージ先生 #アシュタンガ
0コメント