気づいていくことに価値がある
三年前位の出来事です
ある冬に 風邪をひいて咳が止まらず
コンビニで袋入りのど飴を買いました
電車に乗り買ったばかりの飴を
袋から一つ出してから
プラスチックバッグに入った
残りを網棚に乗せた
その次の瞬間
あろう事か、個包装の飴達が
三人掛けに座っている男女の頭上に
バラバラと落ちてしまいました!
飴をかぶった彼らは
とっさにそれを拾い
無表情で私に渡しました
私は、申し訳ない気持ちも込めて
「良かったらどうぞ」
と言うも、二人とも作り笑顔で
首を横にふり何も言わないで
すぐにうつむいてしまいました
どうやら別のアジアの国から
来たらしく日本語が話せない様子でした
真ん中に座っていた彼女が
自分の上着に入り込んだ
最後の一個を
私に渡してくれようとした時
何度か咳をされました
とっさに私は
「You cough a lot,
so please have some」
(沢山咳されていますね、遠慮しないでどうぞ)
と彼女にのど飴を差し出します
するとようやくそのアジア女性は
にっこり笑顔で
「Thank you」
と言ってのど飴を受取ってくれました
一粒ののど飴がその場の空気を
明るく優しいものに変え
"いつもの移動空間が
小さな国際交流の場"
となった事を覚えています
“言葉が話せない”
“新しい土地の文化が分からない”
分からなくて不安な事や
判断が出来ない事は
異国の土地であればなおさらです
イチロー選手が会見で
“外国人になった事で
見えてきた、人の痛みや
心を思い遣ったりする
今までになかった自分が現れた“
というお話しされていました
それは、マイノリティーになって
初めて見えてくる事がある
という事だと思います
日本にいると
"人種差別をされる"
事はありません
人種差別が具体的に
どんな事だという事も
分かりにくいと思います
だからきっとされた痛みも
想像出来ないかもしれません
私は、アメリカで
人種差別をされたことがあります
あの発言が言えるということは
イチロー選手にも 見えない苦労が
あったのだと想像できます
日本は、当たり前だけど島国で
言語も日本語です
だから、違う肌の色の人や
違う言語の人を少し怖いと
感じる事もあると思います
しかし、東京などの大都市は
同時に国際都市でもあります
異国の人達が、どこかで
私達の生活を支えてくれている事も
紛れもない事実です
オリンピックの直前の
このタイミングで
イチロー選手の発言が
大切な何かを
気づかせてくれたと思います
誰かをはじく社会より
受止める度量の大きさのある
国際都市に東京がなれば
いいなと心から願っています
#外国人 #イチロー選手 #マイノリティー #思いやり
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